一度辞めた会社に、また戻れる?──アルムナイ採用という新しい選択肢

企業側の声
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三十路フリ太郎
三十路フリ太郎

転職したいけど、新しい職場や仕事が合うか不安・・・

ともふみ
ともふみ

そんな時は、企業に「アルムナイ採用」の制度がないか確認しよう!

転職に迷うあなたへ

「転職したいけど、今より職場環境が悪くなったらどうしよう…」

そう悩むのは当然です。職場の人間関係や労働条件は、求人票だけでは見えません。思い切って転職した結果、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。

でも、そんな不安を少しだけ軽くしてくれる考え方があるのをご存じですか?

それが「アルムナイ採用」です。


アルムナイ採用とは?

アルムナイ(Alumni)とは「卒業生」「OB・OG」の意味。転職や独立などで一度会社を離れた人を、再び迎え入れる採用制度のことを「アルムナイ採用(再雇用)」と呼びます。

近年、この制度を導入する企業が急増しています。

なぜ今、注目されている?

  • 即戦力になる:業務や社風を理解しているため教育コストが低い
  • 離職率が下がる:戻る社員は自ら選んで復帰しており、定着率が高い
  • 企業ブランディング:柔軟な企業文化をアピールできる

つまり企業にとってもメリットが大きく、積極的に導入されているのです。
現代は少子化もあり、どの業種のどの企業も、基本的に人材は足りていません。超大手の大企業や少人数のベンチャー企業などは別ですが、私たちが求人広告で目にする会社は人手不足です。

そのような背景がある中、新たな人材の囲い込み策として期待されているのが、このアルムナイ採用なのです。

従来の「カムバック制度」と何が違う?

これまでにも企業ごとに呼び方は違いますが、一度離職した人を再雇用する「カムバック制度」はありました。

「アルムナイ採用」と「カムバック制度」の違いについて、明確な定義があるわけではないので、説明は難しいのが実際のところ。
ただイメージとして従来のカムバック制度を、さらに門戸を広く開けたのがアルムナイ制度と考えて差し支えないでしょう。

 

 

実際の事例を見てみよう

サイボウズの事例

グループウェア開発で有名なサイボウズは、10年以上前からアルムナイ制度を導入。退職した元社員のネットワークを維持し、再雇用を積極的に行っています。

「家庭の事情で離職→子育てが一段落して復職」「キャリアアップのための転職→外で得た知見を活かして再入社」など、多様な復帰パターンがあります。

P&Gジャパン

P&Gでもアルムナイ・ネットワークを活用。出産・育児などで一度退職した社員が、再び職場に戻るケースが少なくありません。外資系企業であっても柔軟な働き方を提供する動きが広がっています。

アルムナイネットワークとは、退職者のみが閲覧できるサイトがあり、そこで採用情報などを共有するシステム。

トヨタ自動車

トヨタ自動車では、2022年2月に「アルムナイネットワーク」を立ち上げました。
これは、一度トヨタを退職した元社員(=アルムナイ)とのつながりを保つための取り組みで、2024年6月時点で480名が登録しています。

そして2023年7月からは、いよいよアルムナイ採用を本格化
公式サイトに特設ページも開設し、再入社を希望する元社員の支援を進めています。

アルムナイ採用、企業の思惑

アルムナイ採用の何が嬉しい?

転職をするとき、多くの人が「戻れない不安」を抱えます。

でも「また戻れる可能性がある」と分かれば、

  • 初めての転職でも不安が減る
  • 思い切って挑戦しやすくなる
  • 会社との関係を大切にしながらキャリアを積める

そんな気持ちになれるはずです。

つまり、アルムナイ制度は“逃げ道”ではなく、“もう一つの進路”なのです。

 

実は採用する企業も嬉しい

アルムナイ採用は求職者だけに美味しい仕組みと言うわけではありません。
実は採用側にも大きなメリットがいくつかあります。
・採用コストを抑えられる
一つは採用コストを抑えられること。マイナビやリクナビのように求人広告を出す必要がなく、採用にかかるコストを劇的に下げることができます。
また、採用後の育成にかかる時間や費用も削減できるため、企業側は非常にありがたい存在と言えるでしょう。
・企業の社風を理解した、即戦力を確保できる
当然ですが、以前は従業員として働いていた人を採用できるので、即戦力の人材を確保することができます。しかも実力や能力をある程度把握しているので、会社としてはどれくらいの生産性を発揮するか「計算ができる」のです。
・社外のノウハウを吸収できる
一度他社へ就職したり、独立したりすると、これまでの会社では培えなかったノウハウや経験を得ることができます。この社外で得た知見を自社に生かしてもらうと、企業としてはこれほど嬉しいことはありません。
このように、アルムナイ採用を行うのは採用側にも大いなるメリットがあるのです。

企業側がネガティブに感じるポイント

ただ企業側にとって、何もかもがメリットに働くわけではありません。

採用する会社が感じるリスクをいくつか挙げます。

・再度退職する可能性がある
・退職後も一定の関係性を保つ必要がある
・円満な退職が大前提
・アルムナイ採用の制度を社内に周知する必要がある

などなど。

 

とはいえ、転職先は慎重に選ぼう

もちろん、すべての会社にアルムナイ制度があるわけではありません。 また、再入社がしやすい企業とそうでない企業もあります。

だからこそ、転職先選びは慎重に進めましょう。

こんな時こそ、転職エージェントを使うべき

  • 業界や企業の内部情報を教えてくれる
  • あなたのキャリアに合った求人を紹介
  • 面接や書類作成のサポートもあり

プロのサポートを受けながら進めることで、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。

 

転職に踏み出すあなたへ

「もしダメだったら戻れる」そう思えるだけで、転職はぐっと前向きなものになります。

そして今、あなたのキャリアを応援してくれる転職サービスがたくさんあります。

転職には不安がつきもの。でも、アルムナイ採用という考え方があれば、少しだけその不安を和らげてくれます。

一度やめた会社に、また戻る。 そんな柔軟な選択肢があるからこそ、

いま「転職したい」と感じているあなたも、安心して次の一歩を踏み出せるはずです。

ぜひ、エージェントを活用しながら、後悔のない選択をしてください。

 

ともふみ

現役新聞記者。
大学卒業後、舞台俳優やロックバンドの道に。コロナ禍を機に仕事がなくなり、ただのフリーターになる。30歳を迎える2021年、一念発起して正社員として働く道へ。
ブラック企業2社を経て、現職に就く。

大企業の社長へのインタビューや、採用担当者、広報担当者から得た働く現場の声を皆さんにお届け。
職歴のないアラサーへ向け、人生を取り戻す術を発信する。

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